釜ノ沢尾根、丹波天平南西尾根
(その2の1)

今回は釜ノ沢尾根(かまのさわおね)を登り、丹波天平南西尾根(たばでんでいろなんせいおね)を下りました。
釜ノ沢尾根は丹波山村の背骨みたいな天平尾根(でんでいろおね)にある丹波天平というピークをてっぺんにして、釜ノ沢とシンベイキ沢という沢の間を延びて後山川(うしろやまかわ)に落ち込んでいます。下端から登るのはわたくしには無理そうなので、地形図や『奥多摩 登山詳細図(西編)』(吉備人出版 以下『詳細図』)に記載されている後山川右岸の点線(後山川右岸道)から登ることにしました。天平尾根への登山口のひとつ親川(おやかわ)バス停から入山すると、後山集落跡から登山道を離れ、ほぼ北に延びている点線です。ところがこの後山集落跡から釜ノ沢尾根までの点線がとんでもない道で、いや、道なんてものじゃなくて道形はハッキリしないは大崩落があるはのほぼ廃道状態でした。いや、廃道に失礼かも。
丹波天平南西尾根は丹波天平をてっぺんにして、釜ノ沢尾根の反対の南西に延びている尾根です。下端は656mの標高点を経て丹波川に落ち込んでいます。丹波天平からはしっかりした(多分。歩いていないので不明)登山道が南西に下っているんですが、今回は登山道にこだわらずできるだけ尾根の上を歩いてみました。 沢の名前は『詳細図』によっています。釜ノ沢尾根や丹波天平南西尾根の名前はテキトーです。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]親川バス停→(30分)高畑集落跡→(10分)後山集落跡→後山川右岸道→(1時間20分)釜ノ沢尾根→(2時間)丹波天平→丹波天平南西尾根→(1時間30分)押垣外(バス停)→(30分)[GOAL]丹波バス停→JR青梅線奥多摩駅
歩いた日 2020年2月29日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]親川バス停→高畑集落跡→後山集落跡→後山川右岸道→釜ノ沢尾根→丹波天平


道なき道を進んでやっと取り付いた釜ノ沢尾根で落石。頭から出血。露岩の急登にはじまり急緩混じり合う自然林の多い開放的な尾根でした。

おはようございます。奥多摩駅前から丹波行きバスに乗って約40分、親川(おやかわ)バス停に着きました。降りたのはわたくしと男性2人組のハイカー。空っぽになったバスは丹波に向かって去っていきます。
道路向かいのバス停。あの坂道からも山に入れるんですが、民家の横すれすれなのか民家の敷地内なのかハッキリしない道を歩くことになります。
で、少し道を戻ったここから入山します。
民家の裏を登っていきます。
こんな道を歩き、
大岩にぶつかり左折したり、
崩落地で折り返したり、
2人組に先に行ってもらったり、
立派な石垣に沿って歩いていくと、
高畑集落跡に着きました。
廃屋。
ローラー式の脱水機がついた一層式洗濯機。
更地。
高台にはそれほど朽ちていない家が建っていました。
ガスボンベと割れた水瓶の口。
ヤカン。
ステンレス製の水道設備。地鳴りのような音がしていたような。
それほど朽ちていない家の前に並んだお地蔵さんたち。
木製の歯車と倒壊した家屋。高畑集落の最上部の家屋のようです。
さようなら! 高畑集落跡!
水道設備を過ぎ、
先に進みます。
大きな木。
ゴボンゴボンと音がしていた水道設備。
碑群を見上げながら歩くと、
後山集落跡に到着。
こちらには家屋は残っていません。
さようなら! 2人組!
後山右岸道を探してウロウロ。
道標の手前のこの階段が怪しいです。
階段の先は道なし。
けれどもかまわずトラバース気味に先に歩いていくと、踏み跡らしきものがありました。
道? みたいな道を歩きます。
ここは後山川に向かって土砂や
倒木が流されてきて道はなくなっています。
こんな道になると安堵感は半端ありません。
微妙なのっぺり感です。
完全にのっぺりです。
立派な道に見えます。
これはまーまー道。
道じゃありません。
完璧なのっぺりです。
そして今度は崩落です。大崩落です。しかも手前は中規模、向こうは大規模の2連です。あまり近寄りたくない感じの大崩落で写真もちゃんと撮れていません。
下のほうは勾配がキツく崩落の幅も広くどーにもこーにも通過できそうにありません。高巻きできるかどうか、崩落手前の小尾根を登ります。山肌はガチガチに凍っている場所とグズグズの場所が入り交じっています。杖とピッケルを使って四つん這いで登ります。
ちょっと休憩。後山川対岸の山並みを眺めながらほうじ茶を飲みます。
適当に登ったところでトラバースして崩落地に近づきます。
まだかなり幅と深さがあります。
向こうに見える白茶けたところが大崩落。とんでもない規模です。
さらに登ります。
手前の中規模な崩落はここから向こうに行けそうです。
なんとかクリア。
斜上して次の大崩落に向かいます。
無理です。U字形に深く抉れています。
渡れそうな場所を探しながら崩落の縁に沿って登っていきます。
倒木につかまりながら下りて、と考えたんですが、向こう側はどう見ても登れません。
さらに登っていきます。
まだ渡れません。小石や握り拳くらいの石が転がり落ちてきます。現在進行形の崩落地のようです。
さらに登っていきます。
崩落が二又になっています。
木の枝に大きな岩が乗っています。大岩がうなりを上げながら飛んできてガシッて枝に、などと想像するだけで股間がヒュッてなります。いま思うとこの光景は後に起こることの暗示だったのかもしれません。
ここなら向こう側に渡れそうです。
崩落地の上流側。コロコロコロコロ小石が転がってきます。急いで通過します。
崩落地を高巻くために標高差で100m以上登ったことになります。
先に進みます。この先も薄ーく、ズーッと崩落しています。
隣の尾根にやってきました。
あちらが崩落地ですが、よく見えません。
こちらは後山川の対岸。下には巨大な堰堤のようなものが見えて、ズーッと見上げていくとコンクリートでガッチリと固められた山肌が見えます。あちらも崩落したんでしょうか。
行く手が浅い谷の急降下になったので
向こうの尾根に移ります。
こちらも急降下です。
横向きになってずり落ちるように下っていきます。
下ってきて、
890mあたりで道? みたいのものを発見。たどります。
道なんでしょうか。地形図の点線よりちょっと上を歩いているんですが、点線がよりよい道だとは思えません。似たり寄ったりじゃないでしょうか。
もう、慣れてきました。道が見えるようになりました。ウソです。
左足の外側と右足の内側が磨り減っているに違いありません。
植林帯に入ります。たいていの場合、植林帯は歩きやすいんですが、
こうなると諦め感が貴重な推進力になります。
釜ノ沢を渡ります。
釜ノ沢の上流。
大岩です。
右に回り込む踏み跡がありました。
こんな小尾根を乗り越すと
あれが釜ノ沢尾根、とこのとき思っていたんですが、後に釜ノ沢尾根の支尾根だと判明します。
なかなか近づけません。
斜上します。上のほうは崖になっています。
あちらから這い上がってきて、
こんなところをよじ登っていきます。
登ってきて、
尾根に乗りました。途中で落石が左前頭部にあたり、出血しました。体を引き上げるためにつかんだ立木がたわんだとき、その木の根元に引っかかっていた岩が落ちてきて頭を直撃(だと思います)。足元を見ていたので岩の大きさははっきりしないんですが、かなりの衝撃を受け、木をつかんだまま5分くらい目を閉じて頭全体の鈍痛をこらえました。首にかけていた深紅のタオルを頭にあててみると黒い染みができました。高い場所から転がってきた岩だったらかなりヤバイことになったと思います。
軍手の甲を頭にあててみると、漢数字の一のように血文字ができてしまいました。
幸い血はすぐ止まり、鈍痛が薄まってからゆっくり登りはじめます。
910m圏で作業道を横切ります。ん? 道じゃないのかな? 感覚がおかしくなっているのかもしれません。
反対側。
で、登っていくと右手にスッキリした稜線が見えてきました。地図を見て愕然。あちらが釜ノ沢尾根の本筋じゃありませんか。わたくしは流血までしながら支尾根を這い上がってきたことになります。トホホです。
トラバースして釜ノ沢尾根に乗りました。これは尾根の下方。見える限り流血の要素は皆無です。
先に進みます。
シンベイキ沢を覗き込んだところ。
登ってきて、
登ります。
ミズナラでしょうか。大木です。
振り返って後山川の対岸を眺めながらほうじ茶を飲みます。おそるおそる首を回して頭の具合を調べます。問題ないようです。もう一口ほうじ茶を飲んで出発します。
ミズナラでしょうか。またまた大木です。
登ってきて、
なだらかになりました。1090m圏です。
境界見出標を通過します。
次の境界見出標を通過します。
獣たちにもてあそばれたに違いない雨合羽のズボンを通過します。
小屋跡。1160m圏です。
小屋跡の右に道が延びていました。
すぐ上には左に延びる道がありました。
先に進みます。
登ってきて、
登ります。左手に天平尾根が見えます。
登ります。
そこそこの勾配です。
最後のモッコリピークでしょうか。
アセビの茂みに入ると、
畳1枚分くらいの広さでアセビがバキバキに折れていました。通過すると、
トホホ、次のモッコリピークがありました。
登ってきて、
この天平尾根と合流しました。
登山道と合流します。
登山道は天平尾根の上ではなく、巻いて登ってきているようです。
丹波天平に向かいます。
すぐにサヲウラ峠と丹波の分岐に到着。左奥に立っているのは地上デジタル放送のアンテナらしい。丹波天平の三角点を探します。
いちばん高そうなところをウロウロしていると発見」! 丹波天平には二等三角点があり標高1342.95m、基準点名は丹波山村。これにて釜ノ沢尾根はおしまいです。
オニオンコンソメスープを飲んで休憩します。
三角点からの眺め。
確かにでんでーろ、という雰囲気です。さて、丹波天平南西尾根を目指します。