今回は平溝尾根(ひらみぞおね)を登り、黒山山稜を登り、棒ノ嶺北東尾根(棒ノ折山北東尾根)を下りました。
平溝尾根は惣岳山(そうがくさん)をてっぺんにして平溝川と谷久保沢(やなくぼさわ)の間を南東に下って多摩川と谷久保沢の出合に没している尾根です。過去の記録を見てみると3回ほど歩いていますがほぼ記憶にございません。
黒山山稜は『奥多摩 登山詳細図(東編)』(吉備人出版)にならった名前で、今回のルートの順なら岩茸石山(いわたけいしやま)、黒山、棒ノ嶺を結ぶ尾根です。でもって黒山から先は都県境尾根です。
棒ノ嶺北東尾根は名前の通り棒ノ嶺(棒ノ折山)から北東に下って名栗湖に沈んでいる尾根です。何度も歩いた尾根なのでさすがにちょっとは記憶に残っています。その記憶とかなり違っていて驚きました。
今回の尾根歩きの目的は紅葉狩りです。ゴールは温泉、風呂上がりにビール。ムフフフのフの物見遊山です。
平溝尾根、黒山山稜、棒ノ嶺北東尾根(惣岳山、岩茸石山、馬仏山、黒山、棒ノ嶺)
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■コース | [START]JR青梅線軍畑駅→(10分)大山積命の社→平溝尾根→日枝神社→(40分)新所沢線32号鉄塔→物見山→556m標高点→伐採地→(1時間50分)惣岳山→馬仏山→(40分)岩茸石山→(1時間45分)黒山→(35分)棒ノ嶺(棒ノ折山)→棒ノ嶺北東尾根→(1時間20分)名栗湖→有間の湧水→(40分)[GOAL]さわらびの湯 (7時間40分) |
■歩いた日 | 2024年11月16日(土) |
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。
■[START]JR青梅線軍畑駅→(10分)大山積命の社→平溝尾根→日枝神社→(40分)新所沢線32号鉄塔→物見山→556m標高点→伐採地→(1時間50分)惣岳山→馬仏山→(40分)岩茸石山
平溝尾根の取付を調べていたら尾根の末端近くに大山積命(おおやまつみのみこと 大山祗命)の社があることが判明。大山祗命は山の神様です。山の神といえばこの神の右に出る神はいません(多分)。そして「神社仏閣道背負う」のセオリーを信じるならこの社から平溝尾根に入山するのは至極当然のことでありまする。
尾根の序盤は尾根筋がグニョグニョしていますがしっかりした踏み跡というか道をたどればいいので楽チン、かと思ったらそうでもなく小さな沢渡りもあったりしてそれはそれで面白かったです。
おはようございます。軍畑(いくさばた)駅です。陣太鼓の音が聞こえてきそうな意匠です。
改札を出て青梅街道に向かう坂道を下って最初の曲がり角を右へ。
東光寺踏切を渡って左へ。
ゆるく坂を登ってきて平溝尾根を回り込む場所にある階段をのぼると
「奉勧請大山積命」と墨書された木札が祀られている小さな社が建っていました。大山積命(大山祗命)は山の神様です。この社を見ることができればもうじゅぶん満足です。帰ってもいいぐらいですが、
宙を睨む左右の狼(山犬)が山へ山へと背中を押します。表情を見れば見るほどキリッとしているのかひょうきんなのかわからなくなってきます。
「神社仏閣道背負う」のセオリー通り、社の裏に踏み跡があります。
登ります。
小さなピークに日枝神社(ひえじんじゃ)が建っていました。斜め横から登ってきたんですが、
参道は正面のこちら。踏切近くの東光寺からつづいているらしい。
日枝神社の右奥にしっかりした道が下っています。
左手に鉄塔を見ながら通過し、
標高324m(以降「標高」は省略)の標高点あたりを通過して
すぐの分岐は左へ。この分岐の進路はちょっと判断がつきづらいです。
雨が止んだばかりのようです。しっとりした道がつづきます。
JR古里線24号方向に歩いていったんですが、尾根筋は23号方向じゃなかろうかと判断。少し引き返してきて、
23号への巡視路(多分)をたどってみます。ちょっと下って左へぐーっと曲がっていきます。
樹脂製の階段がつくられていました。小さな沢に下っていきます。
朽ちた木橋が架かっています、というか崩れています。靴底を濡らして沢を渡り
ぐーっと登ってきて
尾根に乗りました。
ゆるく登っていくと新所沢線32号の鉄塔です。んっ? JR古里線23号はどこにいったんでしょう。まっ、いいです。
32号をくぐるとそこそこの急登がつづきます。
登ってきて
433mの標高点あたりを通過します。なにもございません。
ゆるく下り、
岩ゴツになった尾根を登り、
450m圏のピークを越えます。
480m圏の物見山の山頂です。たしかにかつては見晴らしがよかったんじゃないのかな、という雰囲気はあります。
物見山からゆるく下ってゆるく登り、480m圏の賑やかな場所を通過します。地形図を見ると谷久保沢に下っていく左手の尾根に車道の線が登ってきています。
大中小のアップダウンがつづきます。ここは中。左からゆるく登ってきた尾根に合流します。
登り詰めると500m圏です。右へ。
おだやかに登ってきて
おだやかに登ります。
556mの標高点です。ここも賑やかです。
すっきりとした尾根道がつづきます。
ひさびさの中くらいのアップです。
おだやかな尾根道が復活し、
ずーっとつづき、
614mの標高点あたりです。地形図を見ると右手の平溝川に向かって点線(徒歩道)が下っています。前方が明るくなってきました。
伐採地に出ました。伐採地のへりが平溝尾根です。
伐採地の向こう、平溝川の向こうの正面に岩茸石山が見えます。紅葉がなにかの文字か形に見えるんじゃないかとしばらく眺めたんですが無理でした。
伐採地のへりを歩いてきててっぺんで
左へ90度曲がります。藪っぽい下りです。
道は尾根の左下につづいています。テキトーな場所で
右の尾根に乗りました。ちょっと後悔。めちゃくちゃ急登です。
登ってきて
尾根上を歩いていくと
ビシッとした登山道にぶつかりました。たどります。
大岩を通過し、
次の伐採地からの
眺めです。
分岐は真ん中の尾根へ。
青渭神社(あおいじんじゃ)の建つ惣岳山の山頂に到着。756mの標高点があります。これにて平溝尾根はおしまいです。
平溝尾根のダイジェスト動画です。大山積命の社から惣岳山までの1時間40分を9分30秒で見られます。
惣岳山からは黒山山稜を歩きます。広大な伐採地を紅葉の紋様が取り囲んでいます。
危なっかしい岩場を下ります。
登山道から都心方向が望められます。
あざやかな赤。
しばらく登山道をたどっていたんですが尾根に這い上がってきて
尾根歩き再開です。
馬仏山(まぼとけやま)の山頂に到着。723mの標高点がこのあたりにあります。
古い山名板。渋いです。
尾根筋を登山道まで下り、
岩茸石山へ。
岩茸石山の山頂です。写真はなんだか物悲しい風情ですがたくさんのハイカーが楽しげに笑ったり食べたりしていました。
こちらは物悲しい風情の三等三角点。周囲に人が多くてこの角度でしか撮影できませんでした。岩茸石山の標高は792.95m、基準点名は岩岳。明治期に埋設された柱石が平成に交換されたらしい。当初は柱石を守る防護(防衛)石が4個設置されていたらしいけれど今はかろうじて1個の痕跡があるかないか、ないかな、みたいな感じ。
岩茸石山からの紅葉です。正面奥の山頂がたいらな山が棒ノ嶺。曇っていていまひとつパッとしません。というか、にわか紅葉ファンにはこの景色がどれほどのものであるのかの判断ができかねます。紅葉の盛りなのか、終わりなのか、これからなのか、ちっともわかりません。まっ、きれいと感じられればそれでいいんですが。
都心方向の眺め。
賑やかな山頂を後にして黒山山稜を歩き黒山、棒ノ嶺をめざします。
賑やかな山頂を後にして黒山山稜を歩き黒山、棒ノ嶺をめざします。
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