奥多摩尾根歩き
胡桃指沢左岸尾根、白石山(毘沙門山)東稜、長合沢左岸尾根

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白石山(997.0m 毘沙門山)→(25分)長合沢ノ頭→長合沢左岸尾根→836m標高点→(2時間20分)毘沙門水→(5分)[GOAL]馬上バス停→小鹿野役場バス停→西武秩父線西武秩父駅


長合沢左岸尾根はとんでもない急降下が印象に残りました。地形図の破線(徒歩道)にできるだけ忠実に歩こうと思っていたんですが完全に失敗。迷走してしまいました。

毘沙門山山頂から
奥のピーク、長合沢ノ頭をめざします。
山頂を先に進んた突端の右に踏み跡らしきものがありました。急降下です。
あちらから下ってきたんですが、
三角点に近いほうからよりしっかりした踏み跡が下ってきて合流しました。こちらもかなりの勾配です。
下ってきて毘沙門山を振り返ります。宝塔を手のひらに載せて猛々しい毘沙門天の名にふさわしい山容です。
もう一度振り返って。映画『大魔神』みたいに変身しても驚きません。いや、めちゃくちゃ驚きます。
そうです。尾根歩きはこういうのがフツーです。
右手にドリーネ(すりばち状の窪地)を見下ろしながら通過すると
すぐに微妙な分岐です。右へ。
長合沢ノ頭に到着。980m圏の小ピークです。ここから長合沢左岸尾根の始まりです。
下って
下って
下ってきて
さらにとんでもない急降下です。880mあたりから
830mあたりまでが長合沢左岸尾根でいちばんのキビシい急降下でした。
登り返して小さなピークを越えます。
836mの標高点です。尾根は左右に分岐。右へ。
800m圏の分岐です。踏み跡をたどって右に下る尾根にトラバースします。
750m圏です。ほぼ直進する尾根にビニール紐が張られています。
右に折れます。くの字くの字の踏み跡で急降下すると地形図の破線に乗りました。
道をはずれて尾根上を歩いてみたんですがとくになにもありません。720m圏の小ピークです。
地形図の破線に復帰しました。
右手にティピーみたいな崩壊した小屋を通過すると
ヤセ気味の尾根になって登り詰めると
コンクリート杭が刺さった680m圏の小ピークです。
左は598mの標高点がある尾根です。
右の尾根を下ります。
快適な尾根道です。
新榛名線154号鉄塔を通過します。展望はありません。
直進方向に通せん坊があって、しっかりした道は右に折れて下っています。何尾も考えずに右に下ったのが大間違い。
地形図の破線は先ほどの直進方向だったことがスマホGPSで判明。テキトーな場所から破線を追いかけるようにトラバース開始です。しっかりした道は長合沢沿いの長合沢林道に下っていくようです。
なんとなくヒトの踏み跡っぽいんですがよくわかりません。
小尾根を乗越して
ずんずん進んでいくと
右下に一升瓶や七合瓶(?)が転がっていて
ちょっと登ると案の定、こぢんまりとした平地に小屋の残骸が朽ちかけていました。
ワラビが繁茂している畑跡らしき斜面を登ってくると
道? ただの窪地? にぶつかりました。登ってみると
作業小屋というか住居のような跡地に出ました。ドラム缶は水がめや便器だったんじゃないでしょうか。
道? ただの窪地? を下っていくことにしました。もう、地形図の破線を忠実にたどるなんてことは考えていません。
畑跡の上の道らしき踏み跡をたどります。
どんどん妖しげな雰囲気になるんですが、
小さな涸れ沢を越えたりしながら
踏み跡は続きます。
標高点593mの南の尾根に乗りました。尾根上か右下の踏み跡か。深く考えずに右下へ。
ゆるく下っていくと深くえぐれた道にぶつかりました。左へ下ります。
道中。
謎の立方体。回り込んでみると扉のない物置でした。
小さな涸れ沢を越えて踏み跡は登っていくんですが、もう登りたくはありません。
涸れ沢をちょっと下って踏み跡? みたいな踏み跡をたどります。
日当たりのいい畑跡みたいな場所に出ました。テキトーに下っていきます。
群生するワラビの向こうに打ち捨てられた農機具が見えます。
下っていくと草に埋もれかけているけれどしっかりした道がありました。農機具や小屋の残骸と雨量観測施設の間を下っていきます。
滑り落ちてきた墓石でしょうか。彫られた文字は「天室妙●信女」と読めます。
きれいに加工された杖が何本も石垣に並んでいました。吉田川に架かる赤い橋を渡ります。
橋を渡って県道に立ちました。かなりグズグズになりましたが、これにて長合沢左岸尾根はおしまいです。
馬上バス停をめざします。「名水の里」とペイントされた新要(しんかなめ)トンネルをくぐらず右の道を歩くと
旧の要トンネルです。
年季の入った地酒の一升瓶を通過し、
毘沙門水の汲み場に立ち寄りました。蛇口をひねるとまっ茶色の水が流れてきてびっくりしました。わたくしの登頂が毘沙門天の怒りをかったのでしょうか。左端の蛇口が濁りが少なく一口いただきました。
3人組のおばさんが何本ものペットボトルに水を詰め、ダンボール箱に入れていました。「あっちの水、濁っていたでしょ。こんなの初めて。この水は濁ってないのよ」と「招福毘沙門天」の像の右下から流れ落ちている水を指さしました。一口いただきました。確かにこちらのほうがすっきりした味わいです。誰かの息子さんの車を待っているらしいおばさんたちと別れ、
馬上バス停あたりでぶらぶらしながらバスを待ちます。
小鹿野町役場行きのバスがカーブの向こうから姿を現しました。
小鹿野町役場バス停で西武秩父駅行きを待ちます。JAの直売所でニンニクを買って、酒屋さんの場所を聞いて缶ビールを買って、ゆっくり戻ってビールを飲み終わるころバスがやってきました。
山の神様、地権者の皆様、毘沙門天様、きょうもきょうはありがとうございました。随所で股間がキュッとなりながらも面白い尾根歩きができました。また、よろしくお願いします。