奥多摩尾根歩き
雨ノ沢右岸尾根、柳沢右岸尾根

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今回は雨ノ沢右岸尾根(あめのさわうがんおね)を登り、柳沢右岸尾根(やなさわうがんおね)を下りました。
雨ノ沢右岸尾根という名前はテキトーです。黒山(くろやま)から南東へ1km弱、逆川ノ丸(さかさがわのまる)のちょっと南をてっぺんにした尾根で、南西へ大丹波川まで伸び、下端は上日向(かみひなた)バス停と真名井橋(まないばし)の真ん中あたり。地図類に登山道の記載はなく、下調べで名前はわかりませんでした。
雨ノ沢は上日向バス停の下の方で大丹波川に流れ込んでいる沢です。この名前も地図類に記載はありませんが、テキトーではありません。地元のオジサンに教わった名前です。当初は逆川ノ丸南西尾根と呼ぼうと思ったんですが、せっかく教わったので雨ノ沢右岸尾根にしました。
逆川ノ丸からは黒山を経由して都県境尾根を東に進む予定でしたが、下調べで気になっていた逆川ノ丸のちょっと先の登山道を林道常磐線(ときわせん)まで下ってみました。常磐林道の終点から都県境尾根を下り、760m圏のベンチの先から柳沢右岸尾根を下りました。柳沢左岸尾根は以前に歩きました。柳沢左岸尾根については「柳沢左岸尾根は黒山の東の都県境尾根をてっぺんにして北東に伸びた尾根です。『奥多摩 登山詳細図(東編)』(吉備人出版)では柳ノ沢と書かれた沢の左岸にある尾根です。ただ、沢に架かった橋に柳沢(やなさわ)と銘があったので、ここでは柳沢左岸尾根とします。柳沢左岸尾根の道は詳細図にも地形図にも記載されていませんが、しっかりした道が続いていました」と書きました。柳沢右岸尾根の道も詳細図や地形図に記載はないですが、穏やかで歩きやすい道がついていました。
*スマホGPSの設定を忘れていたので、トラックは途中からになっています。
コース [START]JR青梅線川井駅→(1時間)雨ノ沢右岸尾根→関東ふれあいの道→(2時間)逆川ノ丸→(5分)林道常磐線へ→林道常磐線→(40分)都県境尾根→(5分)760m圏のベンチ→柳沢右岸尾根→(1時間30分)下名栗諏訪神社→庚申の水→[GOAL](1時間)さわらびの湯→西武鉄道池袋線飯能駅
歩いた日 2018年08月19日(日)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

[START]JR青梅線川井駅→雨ノ沢右岸尾根→関東ふれあいの道→逆川ノ丸→林道常磐線へ→林道常磐線→都県境尾根


雨ノ沢右岸尾根は劇坂に始まりちょっとした岩場、ドーンとした岩場ありのコンパクトながらもガテン系の尾根でした。

おはようございます。JR青梅線川井駅です。確か3回連続の川井駅です。もうほとんど第二の故郷です。

初秋の空気を感じながらテクテクと大丹波川の上流に向かって歩きます。

上雲橋(じょううんはし)を渡って10分ほど、あの正面に見える尾根が今回のターゲットです。
もう少し近寄ってみます。
もっとグッと近寄ります。ここがGooglemapのストリートビューで目星を付けていた尾根へのアプローチです。ところがどすこい。ちょびっと坂を登ってみたり、爪先立って観察するも尾根の下端にはたどり着けそうにありません。人様のおうちの庭先に闖入必至の雰囲気です。日曜日の早朝に庭先にヘンなオジサンが現れては一家の団欒はぶち壊しです。このルートは断念せざるを得ません。
で、次善の策としてなんとなく考えていたのがほんのちょっぴり戻ったところにある上日向バス停です。
上日向バス停の折返場の奥に階段があり(白い軽バンの左)、
あの階段を登っていけば尾根に取り付けそうです。
階段を登って進みます。下草がきれいに刈られています。ここで地元のオジサンと会いました。尾根への道はあるのか聞いてみると、「雨ノ沢に沿って歩くとワサビ田があって、そのあたりまでは道はある。そこから先はない。上の方には岩があってちょっと危ないけれど右へ右へ行けば大丈夫」と教えてくれました。この写真の右の暗がりが雨ノ沢で、ホタルも舞う清流だとオジサンはちょっと自慢げでした。
石垣を登り、雨ノ沢の右岸を歩きます。
上流に向かいます。
ワサビ田に出ました。
この先で道は左岸に移ります。道もなんとなくあやふやになっているようです。歩きたい尾根から離れてしまうので、
この林班看板から尾根上を目指します。沢沿いを歩き始めてからここまで、ものの5分ほどです。
道なき劇坂です。
伐採された丸太や木の根っこやアセビを掴みながらよじ登ります。
登ってきて、
登ります。
勾配はこんな感じ。
あちらの斜面の方が楽そうなので移動します。
登ってきて、
あと少しで尾根の上です。
やっと尾根に乗りました。
尾根の下端方向へ行ってみました。こちらも劇坂です。眼下で民家の屋根がピカピカ光っていました。
で、こちらをこれから登ります。そこそこの急坂です。
登ってきて、
登ります。岩混じりになってきました。上の方におおきな岩が見えます。
こんな岩です。
見上げます。オジサンが言っていた岩はこれでしょうか。
確かに右に回り込むと難なく先に進めます。回り込み中です。んー、オジサンが注意を促すほどのデンジャラスさは感じられません。
岩の上から下を覗いてみました。怖いんで腕を精一杯伸ばしての撮影です。
なだらかに見えますが、そこそこの勾配です。尾根を渡る風がめちゃくちゃ心地よいです。
大きな岩あたりから左手が自然林になりました。
これは熊棚でしょうか。
また岩場の出現です。ここもオジサンが注意するほどのことはないように思えます。
そこから10分ほど。バーンという感じで岩が立ちふさがりました。岩というか崖です。おそらくこれがオジサンが「右へ右へ」と言っていた岩場だと思われます。
右の方を見上げながらとりあえずテキトーに登っていきます。
足元を見ると薄らと右に伸びる道がありました。そのまま進めそうでもあるんですが、なんだか先の方は岩にぶつかっていそうです。オジサンのアドバイス「右へ右へ」を「右へ左へ右へ左へ」に勝手に変換し、じんわじんわり獣道を辿っていきます。
なんとか崖のてっぺんに着きました。オジサン、ありがとうございます!
少しヤセた尾根を進むと、本日初の人工物、赤帽黒杭がありました。このあたりから左右を自然林に包まれます。
赤帽黒杭から5分ほど。関東ふれあいの道と合流しました。
真ん中奥から出てきました。
合流地点。黒山に向かいます。
5分足らずで逆川ノ丸に到着。
「やまびこ広場」があり、ベンチが設置されていました。
ベンチからの眺め。
これは逆川ノ丸から東に伸びる穏やかな尾根。常磐林道に下ると思われます。
逆川ノ丸には青梅市の「二級基準点 NO.4」というのも設置されていました。
逆川ノ丸から黒山に向かって5分ほど。820m圏のピークです。ここから黒山には向かわずに、地形図にある道で常磐林道に下りてみることにしました。左の関東ふれあいの道をはずれ、右に進みます。
少々藪っぽいですが、道はしっかりしています。
藪っぽいです。
藪になりました。
尾根筋は藪でとてもじゃないですが歩けなくなり、左下の薄い踏み跡らしきものを辿ります。
急坂をズリズリと下りながら右へ右へと移動し、
尾根筋に復帰。
祠がありました。ビシッと閉まった扉が木(多分ヒノキ)の方を向いています。こんな向きの祠を見た記憶はありません。
で、尾根筋を下っていくと大岩のてっぺんに。左から回り込むことにしました。
小さな沢を渡ります。
すぐに渡り返します。
林道に下り立ちました。ちょうどその場所に「東京ヒルクライム 成木ステージ ゴール地点」のコーンが立っていました。けれどもなんだかヘン。自転車競技のゴール地点にしてはちょっと狭いし周りの雰囲気が地味すぎます。帰宅後調べてみると「第12回東京ヒルクライムNARIKIステージ」は2018年5月27日に開催され、どうやらホントーのゴールはこれから向かう林道のどん詰まり(終点ではなく、舗装部の終わり)だったようです。納得といえば納得なんですが、じゃあこのコーンはどうしたんでしょ。なにかフカーイ訳があるのでしょうか。ある訳ないか。
林道をテクテク歩きます。
舗装はここまでですが、林道は右の林間に続いています。ちゃんとした写真を撮り忘れましたが、広場というか駐車場になっています。
水場もあります。そのままかなりの量を飲みましたが、わたくしのお腹は大丈夫でした。
たっぷり休憩を取り、クネクネした林道をビシッと歩きます。
あっけなく常磐林道の終点に到着です。ここからは都県境尾根を歩きます。