奥多摩尾根歩き
赤杭尾根、エビ小屋山尾根

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IT系出版社(数年前、老舗山雑誌を発行する出版社が同じグループ会社になっている)の友人で飲み仲間で仕事仲間だとわたくしが勝手に思っている敏腕編集者(社長賞なんかもモノにしています)、H氏に言われました。西新宿のはずれの台湾料理屋で。「無理矢理、厳しい状況を歩いているんじゃない?」って。ん〜、ちょっと心外ではあるけれど、こころゆったり、のんびりした尾根歩きから遠ざかっていることは確か。下調べ不足だったり地図読みの未熟さだったりで、予定ルートを歩くことができずに「今度こそビバークか?」と冷や汗をかいたことが何度かあった。予見のしようのない降雪に見舞われて尾根筋を完全に見失ったこともあったし、通風の発作の後遺症(?)でとてつもない苦行を強いられたこともあった。
そこでわたくしは考えた。ここいらで、心身ともにくつろぐことのできるまったりゆるやか尾根を歩こう、と。かなり悩んだ末に選択した尾根は、赤杭尾根(あかぐなおね)とエビ小屋山尾根(仮)だ。赤杭尾根は『山と高原地図』ではビシッと赤実線。ただ、エビ小屋山から南に伸びるエビ小屋山尾根(仮)は国土地理院の地形図にもルートは掲載されていない。とはいえ、おおよそのコースタイムは1時間30分ほどだ。
(仮)を付けるのは、どうも決まった名称がなさそうだから。地形図を見る限り、エビ小屋山をピークに持つ赤杭尾根の支尾根(厳密にいうと支尾根なのかどうかはよくわかりません。すみません)なので、エビ小屋山尾根と名付けていいと思います。ただ、名前は道と同じで、多くの人が使わないと固まりませんよね。
赤杭尾根は奥多摩に通い始めた頃、3、4度歩いている。そこそこ変化があって好きな尾根のひとつなのだ。ここをのんびり歩き、足を含めた体の調子がよければ川苔山まで登って引き返し、エビ小屋山に登ってエビ小屋山尾根(仮)をくだるというコースを計画した。調子がいまひとつなら川苔山には登らず、赤杭尾根からそのままエビ小屋山を目指すという、らくらくルートも想定。用意周到なのである。フツーか。
で、今回の尾根歩きの結果はというと体調はバッチリ、ズマド山という以前から気になっていた山名の山に登ってもみた。けれどもエビ小屋山尾根(仮)は消化不良もいいところで、公にするのに気後れを感じるほどの失敗をしでかしてしまいました。事の次第をご笑読ください。
コース [START]JR青梅線川井駅→(15分)赤杭尾根→(1時間)ズマド山南峰→(15分)ズマド山北峰→(40分)赤久奈山(あかぐなやま)→(50分)エビ小屋山への分岐 →(1時間)川苔山→(45分)エビ小屋山分岐→(10分)エビ小屋山→エビ小屋山尾根へ→(30分)林道→(45分)古里駅への分岐→(35分)[GOAL]JR青梅線古里駅
歩いた日 2015年5月30日
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線川井駅→赤杭尾根→ズマド山南峰→ズマド山北峰→赤久奈山


ズマド山ってヘンな名前。南と北にピークがあって、低い南峰のほうに三角点が埋め込まれていました。

おはようございます。川井駅に着きました。奥多摩線の駅はそれぞれ特徴があると思うけれど、川井駅はホームから見えるこの奥多摩大橋でしょう。白丸駅は白いドームだし、軍畑駅はその「いくさばた」という駅名自体が「へぇー」 だし、御岳駅はとても乗降客が多いし、すみません、あまり思いつきません。
改札を出て、自動販売機の左手にある階段を降ります。
ガードをくぐって右に進みます。
大正橋を渡る。そしてすぐ右へ。ガードをくぐりなおし、坂道を登ります。
くぐるガードは大丹波橋梁という名前だ。ちなみに川井は川合で、川が出合う場所という意味らしい。確かに多摩川と大丹波川が出合っています。
大丹波川を見下ろす。
左の道を登る。
左のこんもりした草と草の間に川井駅が見える。
この階段から赤杭尾根に取り付く。
民家の間を歩いていくと川井第一配水所に着く。ここはぐるりと右に回り込む。
ロープが張られている。坂は急で地面は粘土質で滑りやすい。
川井第二配水所を過ぎたところで振り返ってみる。ここからぐんと山道らしくなります。
急な斜面をくの字くの字で登っていきます。
尾根筋が見えてきました。
こんな道を清々しい気分で歩いて行きます。
けれども朝露のおかげで、大失敗した立ちションベンみたいにズボンが濡れてしまいました。
オクタマコアジサイ(奥多摩小紫陽花)らしい。
道中。
倒木跨ぎ。
尾根らしい道。
進行方向右、南側。木立の向こうには以前歩いた真名井北稜(まないほくりょう)がバッチリ見えているはず。
道筋は右だが、正面の尾根筋が気になる。とても気になる。地図を見るとズマド山に続くはず。変わった山名なので記憶にあった。これまでは登りたいとは露にも思ったことはない。けれどもなんか尾根が呼んでいるゾ! と感じたわたくしは尾根に取り付きました。
えらい急坂です。4、5分でわき上がってきた後悔の念を押さえつけるように脚を踏ん張って登ります。
頭上に岩場のようなものが見えてきました。
明らかに人の手が入っている構造物だ。何なんでしょう。
近寄って撮影。
構造物のてっぺんに立って見下ろしてみた。こういう場所は苦手。先に進みます。
右の方にピークらしき場所が見えてきた。
ズマド山に到着。
山名表示版やテープがあった。
山頂の様子。
これも山頂の様子。
道なりに先に進む。
ぐんと下って登り返します。
ピークに到着。
先ほどのピークよりこちらが高い。
ズマドは頭窓なんですか。こちらは北峰で、さきほどは南峰ということらしいです。
特に何があるわけではないので先に進みます。
先ほどはずれた登山道との合流地点。40分ほどたっていた。
古里駅への分岐を通過。
いい天気です。
鞍部を越えて道は続きます。
気持ちいい道です。
ちょっと気持ち悪いカエルです。
道中。
赤杭山に寄ることにします。道標には「あと10M」の表示。
赤杭山の山頂。のっぺりした山頂です。あと10Mはウソだなあ、と思いながら引き返すと、
よーく見ると「1」の墨色が落ちていたんですね。「あと110M」了解!