奥多摩尾根歩き
小怒田ノ尾根、茅嵓尾根

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今回は小怒田ノ尾根(こぬたのおね)を登り、茅嵓尾根(かやくらおね)を下りました。
小怒田ノ尾根は大怒田山(おおぬたやま 富士見台)から北秋川(きたあきがわ)と千足沢(せんぞくさわ)との出合までほぼ南に下っています。大怒田山は大岳山(おおだけやま)から馬頭刈尾根(まずかりおね)を北に50分ほど下った1054mの標高点です。「富士見台」と書かれた標柱が立っていて立派な四阿があります。小怒田ノ尾根は上部の高黒岩(たかぐろいわ)という岩稜というか崖が立ちはだかっています。麓からもよく見える岩壁です。この険しい高黒岩を登るのが小怒田ノ尾根の大きな特徴です。
茅嵓尾根のてっぺんは同じく馬頭刈尾根の1066mの標高点(白倉分岐あたり)です。ほぼ南に下って北秋川と八割沢(はちわりさわ)という沢の出合に没しています。しっかりした登山道が尾根に辛みながら下っているんですが、途中や下部で登山道をはずれて尾根上を歩いてみました。下部ではちょっと冷や汗の出る尾根歩きになりました。

コース
JR五日市線武蔵五日市駅→[START]千足バス停→小怒田ノ尾根→高黒山→(2時間50分)富士見台(大怒田山)→つづら岩→(1時間)富士見台→(20分)白倉分岐→茅嵓尾根→(1時間40分)[GOAL]白倉バス停→JR五日市線武蔵五日市駅
(5時間50分)
歩いた日 2021年4月24日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR五日市線武蔵五日市駅→[START]千足バス停→小怒田ノ尾根→高黒山→(2時間50分)富士見台(大怒田山)→つづら岩


小怒田ノ尾根は微妙に2度目です。前回は岩登りにビビりにビビって西隣の尾根に移りました。その尾根がまたトンデモナイ岩登りで大変な思いをしました。そして今回です。やはり大変でした。かなり大変でした。怒というよりは恐な尾根です。つづら岩も登ったんですが、それがまた、、、。

おはようございます。武蔵五日市駅です。晴天です。
右の列は数馬行きに並ぶハイカーです。長蛇の列です。バスは増発されました。左の藤倉行きはちょうど満席ぐらいで出発。
千足バス停でたくさん降りました。目指す小怒田ノ尾根が真正面に見えます。
角度を変えて眺めます。左下隅から右上にせり上がっているのが小怒田ノ尾根です。高黒岩の岩壁が見えています。
バスが去った方にちょっと歩き、柳沢橋(やなぎさわばし)という小さな端を渡ると登山口です。地蔵さん横の階段で始まります。
急登です。足を踏ん張るたびにアキレス腱がピーンってなります。
里山の雰囲気が漂っていますが、
すぐに植林帯の急登です。
登ってきて
登ります。
530mあたりでチョッピリゆるやかになりますが、
やっぱり急登です。
寄りかかっていない大岩。ペットボトルに詰めてきたほうじ茶を飲みます。
690mあたりで右からの尾根と合流。とくになにがあるわけでもありませんが、勾配がゆるみました。
でもやっぱり急登です。
こんな道を登り、
芽生えたばかりの葉っぱの向こうに高黒岩の岩壁が見え隠れします。760mあたりから尾根は自然林に囲まれました。
ようやく高黒岩の基部に着きました。
見上げるとこんな感じですが、写真ではよくわかりません。肉眼でもよくわかりません。
下調べで見た景色です。左に斜上します。
あの割れ目を通過します。初っ端の手がかり足がかりがめちゃくちゃ難しいです。恐いです。
なんとか通路まで這い上がり、這って通過しました。
次いでこんなところを登ります。
登ってきました。
V字形の凹みの向こうに渡って登るのでしょうか。ヤバイです。
が、振り向くと右に斜上するルートらしきものがあります。あちらよりこちらがはるかに安全そうです。這い上ります。
登ってきました。うーむ、引き返すなら今かもしれない、などと思いながら
先に進みます。ここは危険な感じはありません。中央の岩のすき間を登っていきます。
倒木の向こうに狭い道がのびています。あんな道をバンドというのでしょうか。
バンド? を通過します。
通過しました。
突き出た岩に近寄ってみました。驚きの絶景です。北秋川の下流方向が開けています。
ちょっと右には富士山が見えました。ほうじ茶をゆっくり一口飲んで、もう一口飲んで出発します。
岩稜は続きます。
デンジャラスゾーンはありませんが、
大岩を巻いて登る、巻いて登る、が続きます。
急登です。
登ってきて
登ります。
高黒山の山頂に到着です。976mの標高点です。ここまで来ればもう危険地帯はないはずです。
休憩します。
高黒山から北方向。
高黒山から東方向。
高黒山から南方向。
高黒山から西方向。
ほうじ茶を飲んで出発です。
空が広がっています。
富士見台の四阿に到着です。
あちらから登ってきて
あちらが1054mの標高点、大怒田山のてっぺんです。これにて小怒田ノ尾根はおしまいです。イイ感じのアベックがいたので近づくのはやめておきました。
四阿で休憩します。汗をかく季節になりました。ザックを降ろすと背中の汗がヒュッと冷えます。木の椅子は鋸山(のこぎりやま)で見た切り出された石を思い出します。
さて、これから茅嵓尾根に向かってもいいんですがちょっと時刻が早すぎます。小怒田ノ尾根を登った余勢を駆ってつづら岩を登ってみようと思いました。つづら岩は岩登りのゲレンデとして使われている岩壁ですが、普通の登山道もあっててっぺんまで登れると聞いたことがあります。
ドーッと下ります。後でこれを登り返さなくてはなりません。
さらにドーッと下ります。斜度のとてもキツい階段も降りました。んー、引き返そうかな、などと思ったりもしましたが、
つづら岩まであと400m。半分歩いたのでやっぱりつづら岩を目指します。
これはつづら岩の手前の岩壁。
もう少し下ってあちらがつづら岩のようです。岩登りを指導しているような声が聞こえてきます。
登山道からはずれてそこそこはっきりした踏み跡が登っています。これがつづら岩のてっぺんへの道でしょうか。
登ってきました。
なんだか険しいです。デンジャラスです。
踏み跡はあるようなないような。とにかく登ります。
途中、獣の巣穴と思われる大きな穴がありました。きょういちばん恐かったです。必死で通り過ぎたところです。道はなくなりました。ヤブの急斜面を這って稜線を目指します。道はひょっとして完全な獣道だったのかもしれません。
ヤセ尾根に乗りました。これは登ってきたルートを見下ろしたところですが、十中八九、登山道ではないですよね。
こんな尾根上を先に進みます。
V字形に切れた岩からの景色。
どうやらあれがつづら岩のてっぺんです。
近寄ってみました。岩登りに使うのでしょうか、鎖が設置されていました。恐いです。これ以上は近寄れません。
絶景です。北秋川の下流方向。
ちょっと左。
グッと右。手前の右上あたりに岩肌が見える急峻な尾根が登ってきた小怒田ノ尾根です。これから下る茅嵓尾根は奥の尾根の向こう側です。
ここから先ははしっかりした道があります。
調子に乗って尾根上を先に進むと帰りがキツくなるので
ちょっと引き返してこの道を下ります。急降下です。
木立の向こうに岩に取り付いているクライマーが見えました。
下にいるのは先輩でしょうか。ジーッと見上げていて時々ロープをどうのこうのと声をあげていました。
さようなら! つづら岩! 引き返します。