奥多摩尾根歩き
ヨコスズ尾根、シャクナン尾根

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今回はヨコスズ尾根を登り、シャクナン尾根を下りました。長沢背稜(ながさわはいりょう)を「こちら」から「あちら」へ越える「長沢背稜またぎ」です。またぐ地点は天目山(てんもくざん 三ツドッケ)。「こちら」からの名前は天目山、「あちら」からの名前は三ツドッケだと聞いたことがあります。ヨコスズ尾根とシャクナン尾根のてっぺんです。ヨコスズ尾根は南西に下って下端は日原川(にっぱらがわ)の日原地区あたり。シャクナン尾根は北東に下り、細久保谷(ほそくぼだに)が二俣に分岐する地点に没しています。
ヨコスズ尾根は東日原バス停と長沢背稜をつなぐ尾根としてよく歩かれています(のはず)。一方、シャクナン尾根はヨコスズ尾根に比べればそーとーマイナーな尾根ですが、ネット上にはいくつもの記録があり、大いに参考にさせていただきました。天目山から続く岩稜ヤセ尾根の急登・急降下でできた2つのピーク、標高1400m前後(以降、「標高」は省略)のグニャグニャしてとらえどころのない尾根筋、林道への降下にちょっぴり不安を抱いての出発です。ではあったんですが、予想外の雪の深さに四苦八苦の尾根歩きになりました。
※ヨコスズ尾根の尾根筋をそこそこ忠実に下った記録はこちら。
※無積雪期のヨコスズ尾根、シャクナン尾根の記録はこちら。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→ヨコスズ尾根→滝入ノ峰→ヨコスズ山→一杯水避難小屋→(3時間50分)天目山(三ツドッケ)→シャクナン尾根→(3時間20分)林道→グミノ滝登山道分岐→県道→秩父さくら湖右岸道路→国道と秩父線の間の道→(3時間30分)[GOAL]西武鉄道西武秩父駅
(10時間40分)
歩いた日 2022年4月2日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→ヨコスズ尾根→滝入ノ峰→ヨコスズ山→一杯水避難小屋→(3時間50分)天目山(三ツドッケ)


ヨコスズ尾根 ほぼ尾根上を歩きました。一杯水避難小屋手前あたりからだんだん雪が深くなってきて、小屋を越えるとズボズボ状態。トレース(踏み跡)があって助かりました。

おはようございます。東日原バス停です。画面中央までちょっと戻り坂道を登ると、
すぐにヨコスズ尾根への登山口ですが、ここを通過し、
その先の旧日原小学校の校庭奥の階段から「巨樹コース」に入ります。
壊れたドアから山道へ。右上には小さな社があります。
あの尾根の乗越に立っている大木で巨樹コースから離れ、右へ。
分岐の地面に置かれ(落ち)ている道標。「天目山・酉谷山 仙元峠方面」が目指す方向だけれどもとにかく上へ。
何度か下ったことのある道ですが踏み跡がたくさんあってちょっと迷走中。
登山道と合流するのは右上方向。よりしっかりした踏み跡から踏み跡へ移りながら右上を目指します。左にヨコスズ尾根は見えているし、最悪の場合、あちらに移ればOK。ただし強烈な急登です。
マツの大木で子尾根を乗り越し、くの字くの文字で登り、
無事、登山道に合流。
霜柱をガリガリと踏みながら
この道標で登山道をはなれ、奥のヨコスズ尾根に乗ります。1000mあたりです。
踏み跡は尾根を巻いて続きますが、尾根上に向かってテキトーに登ります。踏み跡はひょっとしてカロー大滝に続いているのでしょうか。
東京都水道局の赤帽白杭と「二四四」と刻印された標石を通過します。この標石はこの先ずっと続きます。
登ってきて
登り、
1184mの標高点あたりを通過します。
岩ありヤセ尾根から
岩なし尾根になって
岩ちょっとあり尾根を登り、
登ってきて
グーッと下り、ガーッと登り、
滝入ノ峰(たきいりのみね)の山頂です。
三等三角点があります。標高は1309.93m、基準点名は一原(いちはら)。山頂のほぼ真南の日原トンネル西側のバス停が一原ですが、地名でしょう。
山頂から北の景色。長沢背稜の方向。
山頂から東の景色。鳥屋戸尾根(とやどおね)の方向。
山頂から南の景色。石尾根の方向。
山頂から西の景色。天祖山(てんそさん)の方向。
滝入ノ峰を過ぎるとヤセ尾根が続きます。
確かこの先で尾根はちょっぴりデンジャラスな降下になるので登山道に下る踏み跡に進み、
登山道に降ります。
右の尾根を登ると
ヨコスズ山の山頂、1289mの標高点です。ペットボトルに詰めてきたほうじ茶を飲みながらちょっと休憩して出発します。
山頂から下って登山道と合流。
雪が深くなってきました。いつ降ったのでしょうか。予想外の深さです。
一杯水避難小屋(いっぱいみずひなんごや)が見えてきました。
小屋はひっそりとしていました。万が一と思ってザックに入れてきたチェーンスパイクを引っ張り出して履き、
窓からヨコスズ尾根をグッと見上げ、
登ってきました。
そこそこの急登です。
カップルとすれ違って登ってきて
一杯水ノ頭と思われる岩塊を通過します。1540m圏です。「三ツドッケ南峰」と書かれた杭が立っていました。
天目山の山頂まではもうひと登りあります。
登ってきて
天目山の山頂に到着です。三等三角点があり、標高は1576.01m、基準点名は日原。これにてヨコスズ尾根はおしまいです。
展望は抜群です。長沢背稜の西方向。写真いちばん奥のほぼ真ん中が雲取山(くもとりやま)で、その手前に天祖山、その手前にタワ尾根、小川谷(おがわだに)を挟んですぐそこに見える尾根はハンギョウ尾根です。
中央に富士山。やや右のいちばん高いピークは鷹ノ巣山(たかのすやま)。左(西)へ石尾根がのびて手前に稲村岩尾根(いなむらいわおね)が下っているのなんかが見えて
その左。中央のポコリは一杯水ノ頭。
その左。長沢背稜の東です。とんがったピークは蕎麦粒山(そばつぶやま)でしょう。そのひとつ手前の仙元峠のピークから左へ仙元尾根が下っています。黒い山塊のいちばん右のピークは川苔山、のはず。
その左。これから下るシャクナン尾根です。2つのポコリとしたピークが見えます。ポコリにもほどがあります。とんがっています。しかも手前のポコリの山肌には雪が付いています。登れるんでしょうか。
ほうじ茶を飲みながらもう一度登ってきたヨコスズ尾根を見下ろします。ズボンを引き上げ、降ろしていたザックを担ぎ、シャクナン尾根に向かいます。