奥多摩尾根歩き
栃ノ木沢右岸尾根、人形山北東尾根

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今回は栃ノ木沢右岸尾根(とちのきさわうがんおね)を登り、人形山北東尾根(にんぎょうやまほくとうおね)を下りました。
栃ノ木沢右岸尾根はタワ尾根の篶坂ノ丸(すずさかのまる)から南西にのびている尾根で、栃ノ木沢(『奥多摩 登山詳細図(西編)』の記載。『復刻版 奥多摩』は「栃ノ木窪」)という谷沢の右岸を下って孫惣谷(まごそだに)に没している尾根です。名前はテキトーです。同じく篶坂ノ丸をてっぺんにしたオロセ尾根の西隣にある尾根です。
栃ノ木沢右岸尾根はそもそも取り付けるのかが問題。これまで林道孫惣谷線を歩いたときには気にもしていなかったので現地で確認するしかありません。
人形山北東尾根もテキトーな名付けです。てっぺんはタワ尾根の人形山で、北東に下って小川谷に没している尾根です。『詳細図』に記載されている人形山東尾根の北の尾根が人形山北東尾根です。人形山から小川谷上段歩道(以後、上段歩道)を横断し、小川谷下段歩道(以後、下段歩道)を横断し、そのほんのちょっと先まで下ってみました。
歩きだしは霧雨、栃ノ木沢右岸尾根の途中から本降りになりました。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→林道日原線→(50分)林道孫惣谷線→(40分)栃ノ木沢右岸尾根取付→栃ノ木沢右岸尾根→(2時間50分)篶坂ノ丸→タワ尾根→(30分)人形山→人形山北東尾根→小川谷上段歩道→(1時間)小川谷下段歩道→(30分)林道小川谷線→(40分)[GOAL]東日原バス停→JR青梅線奥多摩駅
(7時間)
歩いた日 2021年9月26日(日)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→林道日原線→(50分)林道孫惣谷線→(40分)栃ノ木沢右岸尾根取付→栃ノ木沢右岸尾根→(2時間50分)篶坂ノ丸


栃ノ木沢右岸尾根は隣のオロセ尾根と似た尾根だろうな、と思っていたんですが、ところがどすこい、大岩あり、ややヤセ尾根ありでかなり尾根相は違っていました。美しい尾根ではあるんですが、取付はとんでもなくデンジャラスでした。

おはようございます。東日原バス停です。遅めのバスだからなのか、川苔山への林道が通行禁止だからなのか、乗客は10人足らずでした。マスクをはずして大きく息をすると冷たくて湿った空気が心地よいです。
稲村岩を見ながら霧雨の中をてくてく歩きます。
いろいろなところを補修している小川谷橋(おがわだにばし)を渡り、
左折。林道日原線(以後、日原林道)へ。
起点を示す石柱が折れて転がっていました。
日原林道がのびるのでしょうか。
伊勢橋(いせはし)を渡り、
氷川鉱山への入口を通過し、
勢いよく流れる小川谷をのぞき込んだりして、
八丁橋(はっちょうはし)の手前の黄色いゲートをくぐります。林道孫惣谷線(以後、孫惣谷林道)の入り口です。車が6、7台とまっていました。
孫惣谷林道を登ります。ここは微妙に下っていますけど。
雲になで回されている山。
オロせ尾根への階段を通過します。一時期なくなっていたらしいですが再建されています。
謎の鉱山施設を通過します。
これが栃ノ木沢でしょうか。よくわかりません。だとしてもここを登る気にはなれないので
先に進んでみます。
巨大なパイプが対岸に架かっている場所まで来ました。
山側はこんな感じ。低めの石垣は乗り越えられそうですが奥はめちゃくちゃ急登です。引き返します。栃ノ木沢右岸尾根を登れないならどこに行こうか、などと思いながら下っていると、
ここを這い上がって電柱の右上まで登ればなんとかなるような気がする、という場所がありました。
どうやらあのコンクリート擁壁のところが栃ノ木沢のようです。
林道からのぞくと沢の下は急傾斜の涸れ沢というか崖が孫惣谷まで激しく落ち込んでいます。
藪をかきわけ、藪をつかみながら登ってきました。
大岩に沿って獣道を向こうの小尾根までたどり、小尾根を右に登って、本筋の栃ノ木沢右岸尾根に乗ろうという魂胆です。
アリジゴクの群れをまたぎ、電柱を支えているワイヤーをくぐります。
獣道は小尾根を回り込んでいますがガクッと落ちた段差がデンジャラス。先も見通せません。ここから岩のでこぼこを手がかり足がかりにして小尾根によじ登ることにしました。
右に林道が見えています。登ってきました。かなりビビりました。
岩登りのあとは急登です。容赦ありません。
右上に登り、できるだけ早く栃ノ木沢右岸尾根に乗ることにします。
栃ノ木沢右岸尾根に立ちました。
これは下方。あの向こうは岩盤が垂直に削り取られて林道の壁になっているはずです。
栃ノ木沢。
登ります。岩がゴロゴロしています。
960mあたりで作業道を横断します。このあとも何本かの作業道を横断しました。
小雨に濡れるきれいな葉っぱ。
グーッと登ってきて
グーッと登っていくと
ワイヤーがとぐろを巻いていたりもしました。
雨脚が強くなってきました。そういえばいつの間にか右側が植林になっています。
作業道を横断します。
大岩を通過したら
その上にさらにでっかい岩が立っていました。1130mあたりです。
近寄ります。右の岩の割れ目に積もった枝葉の上を登れなくはなさそうですが、
左に回り込んでみます。
かなりの急登ですが、こちらのほうが面白そうです。登ります。
尾根に復帰しました。大岩の先端です。
雨は降り続いています。
右(東)のオロセ尾根方向。なにも見えません。
秋は着実に始まっているようです。
1200mあたりの作業道を横断します。上流方向。
下流方向。これをずーっと歩くとオロセ尾根の有名な丸看板に着くはずです。
今回のルートで唯一見かけた石杭を通過します。
一株だけぽつんと咲いていたトリカブト。
雨は降り続いています。
大きな木(多分ミズナラ)。根本に杖を立て掛けています。
この木の下で休憩することにしました。すでに全身ずぶ濡れですが冷えそうなので雨合羽を着ます。ついでにザックにカバーをかぶせました。ペットボトルに詰めてきたほうじ茶を飲みながら雨を眺めます。
出発します。フードをかぶると雨はパリパリと乾いた音を立てます。
倒木地帯です。
洞に芽吹いた草木。
クリ。
いちばん奥に薄っすらと見えているのがオロセ尾根です。
篶坂ノ丸の山頂が見えてきました。タワ尾根を歩いていると山頂らしさはありませんが、こちら側からだとちゃんとピークに見えます。
山頂直下で金袋山(きんたいさん)に下ってタワ尾根を乗り越していく作業道を横切りました。反対方向はどこに行くのでしょう。
登ってきて
篶坂ノ丸の山頂に到着。これにて栃ノ木沢右岸尾根はおしまいです。取付で林道に落ちなくてよかったです。雨はちっともやみません。