奥多摩尾根歩き
ノケ岩尾根、オロセ尾根

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今回はノケ岩尾根を登り、オロセ尾根を下りました。
ノケ岩尾根はタワ尾根の篶坂ノ丸(すずさかのまる)と金袋山(きんたいさん)の中間をてっぺんにして南に下り、日原川と三ツ又窪の出合に落ち込んでいる尾根です。『奥多摩 登山詳細図(西編)』(吉備人出版)に記載された名前をチラチラと眺めて気になっていた尾根です。気にはなっていたんですが、下端部は日原川に面した採石場なので取り付きようがないよな、と思っていました。けれども尾根の途中からならノケ岩尾根を登れそうなルートがあることを知りました。タワ尾根の南面にある中腹道からノケ岩尾根に取り付くルートです。この中腹道は旧日原林道らしいんですが、旧日原林道の情報はあまりなく(『樵路巡遊』の「日原雲取道 【廃径】」を参考にさせていただきました)、ノケ岩尾根に関してはほぼゼロでの出発でした。
オロセ尾根は篶坂ノ丸をてっぺんにして孫惣谷とガニ沢の出合に下っている尾根です。何度か登って下っている尾根(トップページの「■『奥多摩尾根歩き』『奥多摩トラバース』サイト内の検索」で「オロセ尾根」と入力して検索してみてください)なので今回はタワ尾根下をテキトーにトラバースしてオロセ尾根を下ろうと思ったんですが、尾根を間違えて引き返したりウロウロしてしまい、バスの時刻に間に合うために林道を小走りで下る羽目になりました。
コース JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→(25分)水道施設→旧日原林道→(1時間50分 )三ツ又窪→(35分)ノケ岩尾根取付→ノケ岩尾根→(1時間30分)タワ尾根→オロセ尾根周辺をウロウロ→オロセ尾根→(1時間30分)孫惣谷林道→日原林道→(1時間5分)[GOAL]東日原バス停→JR青梅線奥多摩駅
(6時間35分)
歩いた日 2021年10月23日(土)
※赤い線が歩いた軌跡です。ただ、正確無比なものではありません。あ〜、そ〜、このあたりを歩いたんだ、程度の参考にしてください。

JR青梅線奥多摩駅→[START]東日原バス停→(25分)水道施設→旧日原林道→(1時間50分 )三ツ又窪→(35分)ノケ岩尾根取付


旧日原林道からノケ岩尾根に取り付こうという魂胆です。ただ、集めることのできた情報は少なく、「まっ、いくら旧といっても林道だったのだからそれほどメンドーな道じゃないでしょ」となめてかかったのが運の尽き、のっぺりトラバース道に冷や汗を流し、道があやふやになったり見失ったり、よくもまあなんとかなったと思います。

おはようございます。東日原バス停です。いい天気です。いつもはだいたい最後の出発になってしまうんですが、きょうは14時台のバスで帰りたいのでバスの中でタオルを首に巻いたり軍手をポケットに入れたりと準備をしたのでスピード出発です。
きょうも屹立している稲村岩(いなむらいわ)。左にせり上がっている稲村岩尾根はまだ通行禁止のようです。
小川谷橋(おがわだにばし)を渡ります。先行する仲の良い(イメージ)カップルは右折して鍾乳洞方面に向かいました。
橋の上から目指すノケ岩尾根のほうをぐっと見据えます。見えているかどうかはわかりませんが大した問題ではありません。気合の問題です。
小川谷橋を渡り左折し、林道日原線(日原林道)に進むとすぐ、
右手に東京都水道局の施設があります。Googleマップには「東京都水道局日原応急浄水場」と表記されています。日原渓流釣場の駐車場の向かいです。
施設の左にあるこのコンクリートの階段から旧日原林道に踏み入ります。
階段を上ると藪の中に踏み跡がありました。
登ってきて
左に薄い踏み跡が続いていますが、
擁壁沿いに右に進んでみました。
小尾根を回り込むとこんな感じ。道は確認できません。引き返します。
巨大な岩というかむき出しの岩盤が覆いかぶさっています。
道? みたいな凹みをたどります。
小尾根に向かって登ってきて
小尾根に立ちました。
ここにも大岩がかぶさっています。
道っぽくなってきました。
大岩だらけです。
見とれていると危険。のっぺりトラバース(山腹水平移動)道です。
ここも。手は木の根を探り、足はステップを削ります。
古そうな石垣がありました。石垣の向こう側で道は分岐していますが、ここから高度を上げてもしょうがないので水平道を進みます。
アップダウンのないおだやかな道が続きます。
750mあたりの分岐。登っていく道は一石山(いっせきやま 1007m)から南西に下っている尾根に乗る気配です。
樹木が切れてポカリと開けた明るい場所から
両側に「奥多摩町森林再生間伐事業箇所」の看板の立つ植林帯へ。
チョロチョロと水の流れる水ノ窪と思われる沢を通過します。
岩が水の流れのように沢を埋めています。
少し先の涸れ沢の向こうにスギの巨木が2本立っていました。
スギの背面には岩壁が連なっています。こちらも迫力があります。松岩(マツ岩)と呼ばれる場所です。
涸れ沢の上流。こちらが水ノ窪?
大きいです。(切り替え画像 左のスギの根元に杖を置いています)
樹冠は火焔型土器のようです。
落ちてきた大岩を包み込もうとしています。
松岩から先の道が消えましたが、
すぐに見つかってここは分岐。登らない道を選択。
小尾根に立ちました。下にフェンスがありました。フェンスの手前は道のようにも見えます。
近寄ってみましたが道なのか微妙。
目を凝らして先を見てみますがどうにもはっきりしません。ここは採掘現場の上あたりです。うーん、
小尾根を登ったほうが安全です。
よじ登ります。
登ってくると
なにかを伝えていた錆びた鉄の支柱が立っていました。
道らしきものも見つかりました。820mあたりです。
どこから来た道でしょう。小尾根の反対側を探してみましたがまったくわかりませんでした。
まっ、いいです。道らしきものをたどります。
なんだか心もとない道です。
どこまで行っても心もとないです。
大きな谷が見えてきました。三ツ又窪です。
その手前に黒い硬質樹脂製のパイプが日原川に向かって下っています。採石場あたりで日原川にドバドバと滝のように水を落としているパイプに似ています。手を載せてみましたが軍手越しにはなにも感じませんでした。跨ごうとしたところ、
ちょっと下にそこそこしっかりした踏み跡が見つかりました。たどります。
三ツ又窪に水は流れていませんでした。谷に沿って鉄のパイプが下っていますが途中で継ぎ目がはずれていたりして現役ではなさそうです。
三ツ又窪の対岸が目指すノケ岩尾根です。眼前にバーンと迫っているのでただの森にしか見えません。ここを登るのは無理。三ツ又窪沿いの道を上流に向かって進んでみます。
のっぺりしていたり欠けていたり、そこそこデンジャラスな所もありました。
さらに上流に向かいます。
上流も取り付けそうな場所はありませんが、
道が谷底に近づくと対岸に薄っすらと踏み跡が見えました。右端まん中よりやや上の倒木から左に斜上しています。
三ツ又窪の下流方向。いちばん奥から稲村岩尾根、巳ノ戸尾根、鷹ノ巣尾根、ぐっと手前がノケ岩尾根です。ここで三ツ又窪を渡りノケ岩尾根を登るかかなり迷いました。等高線はノケ岩尾根に乗るまでかなりキツキツです。状況もまったくわかりません。引き返して別の尾根からタワ尾根に登るほうかいいか。
ノケ岩尾根を登ることに決めました。三ツ又窪に降りました。
上流方向。
ノケ岩尾根の横っ腹に取り付き、登ってきました。
テキトーに登ってきたらこんな道らしきものがありました。
が、すぐに消えました。とりあえずあの大岩を越えなくてはなりません。右から登ってみます。
よじ登ってきて
大岩を巻き、登ります。かなりの急登です。
ヒーコラと登ってきましたが、この尾根はどうやらノケ岩尾根の子尾根のようです。
あちらに見える稜線がノケ岩尾根です。ここからトラバースしてノケ岩尾根に乗るのはあまりも斜度がきつすぎます。もう少しこの子尾根を登ってみます。
880m圏で炭焼き窯跡らしき石組を通過します。
登ります。
突然、890mあたりでしっかりした道にぶつかりました。これは旧日原林道に違いありません。多分。写真を撮り忘れましたが反対側にも道はありました。
どこをどう歩けばここに来られたのでしょうか。松岩を過ぎた分岐で登る道が旧日原林道なのかもしれません。
旧日原林道はやがてフェンス沿いを歩くようになります。
ノケ岩尾根の稜線が見えてきました。
ようやく、ノケ岩尾根に立ちました。
ノケ岩尾根の上方。半壊した扉が半開きになっています。
下方。ぐっとヤセて日原川に切れ落ちています。なんだか地形図とずぶん違うような気がするんですが、どうなのでしょう。